オーディションに落ちまして。
まあ、この仕事、現場現場が常にオーディションで、稽古してる時も、打合せしてる時も、なんなら帰りに雑談したり飲みにいったりしてる時も審査されてるみたいなところがあるんだけど。
だから、落ちたくらいでいちいちヘコタレてたら正直体もココロも、もたない。
ので、普段は、なんでもないよ、な程を醸し出してやり過ごすのだけれど。
今回はちょっと自分でもびっくりするくらい。これ、ビンテージジーンズだったら、ボロボロすぎて身体ぜんぜん隠せてないですけど、ってくらいのダメージ。
まだこんな感情が自分に残っていたのか、と、ちょっと嬉しくもあり、その何億倍も悲しくて痛くて動けませぬ。
なにがダメだったんだろうか、とか、あの時のあのアレがダメだったんだろうかとか、答えの出ない問答を延々と。
なまじ手応えを感じていただけに、それがただの独りよがりだったんだという恥ずかしさと、実力もないのに分不相応な夢みちゃってた自分の浅はかさが、何トンものおもりになって乗っかってくる。
いっそ、そのままあたしのこのちっぽけな悲しみを粉砕してはくれないだろうかと思うのだけれど、骨太健康体なあたしの身体はヒビすら入ってくれない。
現実が辛すぎてふて寝してみたところで、夢にまで出てくる始末。しかも、夢でもキッチリ落とされてる。
おまけに、あたしの知らない、誰か他の人が、ニコニコキラキラ、そこに立ってるってゆーね。
おー、あたしゃ、この人に負けたのか。
この仕事の辛いところは、その後の進捗情報が丸わかりしちゃうということ。
どんなに情報をシャットアウトしようが、聞こえてきちゃうし目に入っちゃうしね。
自分が望むものを手に入れることなんて出来ない、ってのは、今までの経験則から、さすがに理解してはいるんだけど。
よし、がんばって次に進もうって思うまでにどれくらいかかるんだろうか。
心機一転、髪でも切るか。
それじゃ失恋したみたいか。
失恋みたいなものだからいいか。
ただ、ショートカットに憧れる私に反して、周囲のみんなは長い髪の方が似合う、と言う。
自分が望む自分は必ずしも自分に似合う自分じゃないっていうジレンマ。
いつか笑って話せるようになるまで、今はとことん落ち込んで泣いてイジけてグジグジして自分を甘やかして正当化しようと思う。
そんな簡単に立ち直れるもんか。